薬剤師の当直・夜勤 これがあれば怖くない!

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薬剤師業務

こんばんは、ポテPです。朝晩が寒くなってきました。いつまで半袖シャツで通勤を続けるか悩みどころです。

今日のテーマは病院薬剤師の当直(夜勤)についてです。こんなことしてるよ、こんな問い合わせがあるよ、こんな時こんなアイテムがあると便利だよ、って話です。なのでこれから当直はじまります!っていう新人病院薬剤師さん向けの内容ですね。勤務する病院によってかなり業務内容に違いはあると思いますが、ひとまず僕の職場を例に紹介します。

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当直と夜勤の違い

まず、「当直」と「夜勤」は明確に異なります。細かい話をすると法律が絡んできたりしてややこしいので、簡単なイメージでお伝えします。

●当直
勤務時間:朝から出勤、そのまま翌朝~昼くらいまで勤務
業務内容:業務発生時のみ対応
勤務人数:(だいたい)1人

●夜勤
勤務時間:夕方頃から出勤、翌朝まで勤務
業務内容:夜間に通常業務
勤務人数:1人~数人

夜勤は通常勤務なのに対し、当直は留守番みたいなイメージを持ってもらえればいいのかなと思います。なので、留守番である当直は業務が発生しなければ何もやることが無く、朝まで寝ていようがゲームしていようが必要時に対応さえできれば何も問題ありません。

具体的に何をしているのか

僕の職場は「当直」勤務体系をとっています。そのため夜勤のことは詳しく書けないのですが、夜勤は入院患者さんや時間外救急外来患者さんの処方薬の調剤や投薬をしたり、医師や看護師からの問い合わせに対応するのが主な業務となるのだと思います。

さて、ここで僕の職場の「当直」の業務実態です。次の通りです。
・入院患者さん、救急外来受診患者さんの処方薬の調剤、注射薬の取りそろえ
・緊急の薬品請求
・麻薬の払い出し、返納対応
・医師、看護師からの問い合わせ対応
・患者からの問い合わせ対応
これらが30分に1回くらいのペースで夜通し繰り返されます。全て1人で対応します。病院によってはERに応援に行く薬剤部もあります。

声を大にして言わせて頂きたい。夜勤と何が違うのか??

寝る時間はありません。寝ても30分で起こされます。寝る方が疲れてしまいます。この業務を通常日勤の後に行うのです。日によっては約30時間ほど労働することになり、身体的疲労は半端ではありません。夜中2時ごろからは吐き気もします。ゲームなんかできません!泣(やる人もいますが笑)
そして当直明け翌日は朝から通常勤務です。当直手当ては出ますが、労力に見合った額ではありません(当院では1回12,000円程度です)。

1人の業務は快適と感じる方もいますが、逆に言えば誰にも頼ることができなくなります。新人薬剤師さんにとってはこの点が最大の不安なのではないでしょいか?(体力面は問題ないと思います笑)

あると便利なアイテム

というわけで本題です。便利なアイテムを紹介します。当直・夜勤に限らず知っていると便利なアイテム達です。

①『今日の治療薬』『治療薬ハンドブック』等
説明不要の薬価収載薬剤の辞典的存在ですね。使い方すら説明不要だと思います。まず間違いなく職場に1冊はあるのではないでしょうか。何なら個人で持ってる薬剤師がほとんどでしょう。

②小児薬用量に関する資料
『新 小児薬用量』等の書籍が使いやすいでしょう。もしくは、院内採用している小児用薬について、一般的な投与量をまとめた表を自身で作成してみるのもおすすめです。
 例)・サワシリン細粒10% 1日20~40mg/kg 1日最大90mg/kg
というのも、時間外に救急外来を受診する小児はものすごく多いのです。頭に用量が全て入っているスーパー薬剤師は別ですが、処方の度に添付文書を確認するのは結構手間です。一目で分かる表があると便利ですよ。

③『注射薬調剤監査マニュアル』
看護師さんからの注射の配合変化に関する問い合わせはめちゃくちゃ多いです。普段日勤帯に病棟で仕事してても頻繁に看護師さんからルート管理について相談を受けます。インタビューフォームや各製造元HP等に記載されている配合変化に関する情報が1冊に集約されています。個人で買うと高い(12,000円くらい)ので、職場で買ってもらいましょう。というかこの手の書籍を常備していない薬剤部ははっきり言ってヤバイです

④『腎機能別薬剤投与量 POCKET BOOK』
よくあるのは医師からの抗菌薬の投与量に関する相談です。添付文書は「腎機能障害のある患者には投与量を減らしたり投与間隔延長するなどして慎重に使用すること」といったような曖昧な記載が多いです。その点、この手の書籍は腎機能に対する薬剤の投与量を具体的に記載してくれているため、とっさの対応時に大変重宝します。

⑤国立成育医療研究センターHP~授乳中に安全に使用できると考えられる薬のページ~
授乳中のお母さんだって時には急病で受診します。そして救急外来ではだいたい研修医が対応するため、「授乳中でも使える薬を教えてほしい」と当直薬剤師が相談を受けることも少なくないです。そんな時はぜひ国立成育医療研究センターのHP内にあるコンテンツを参考にしてみて下さい。リンク貼っておきます→https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/druglist.html
1番は服薬期間中は授乳を避けることが理想ですが、それができない場合は本当に多いです。哺乳瓶だとどうしても飲んでくれない赤ちゃんだっています。授乳を避けるよう言われてすぐに哺乳瓶でのミルクに移行できない赤ちゃんも大勢です。子供が生まれてから嫌という程実感しました。医師に「授乳を避けさせれば何でも使えますよ」なんて答えず、「理想は授乳を避けることですが、難しいようでしたら○○という薬が安全に使えますがいかがでしょうか」と回答することを僕は心がけています。
※中にはどうしても授乳を避けなければならないケースもあります。その点は注意です。

⑥おやつ、飲み物
当直中はお腹が減ります。是非用意しましょう。夜間は院内コンビニが閉まっていたり、ゆっくり買い物する時間もなかったりします。当直・夜勤に入る前に用意しましょう。
カロリーが気になる?大丈夫です。摂取した分を消費するくらい働くことになります(絶望)。

 

いかがでしたでしょうか。今回紹介したアイテムがあると当直・夜勤中の問い合わせの多くを1人で対応することができるようになると思います。しかし、時には医師に確認しなくてはならないような内容すら薬剤師に相談してくる看護師さんもいます。そういう時は、「主治医もしくは医師の判断が必要と考えられます。主治医もしくは連絡のつく医師に確認して下さい。」と言い切ることも大切です。例えば「○○といった症状が出ている。今××を投与中だが継続は問題ないか」といった問い合わせです。明らかに被疑薬と考えられ、投薬をいったん止めても差し支えが無いと考えられるときは中止するよう回答してもいいかもしれませんが、医師に状況とどんな対応をしたかを直ちに報告するよう必ず看護師さんに伝えましょう。

新人病院薬剤師さんは入職からそろそろ半年たち、当直・夜勤が始まる頃だと思います。僕も最初は不安でした。けれども、案外なんとかなるものです。今回の内容、是非参考にしてみて下さい。

以上です。

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